高校卒業資格を手に入れるためにとっても遠回りをしました。
この記事を読んで、似たような境遇に悩んでいる現役高校生(もしくは親御さん)のひとつの参考になれば嬉しいです。
皆さんは高校生活を何年送りましたか?
一般的には3年だと思います。
僕はトータルで5年も送ってしまいました。
ここでは5年の間に何があったか書いていこう思います。
高校生1年目
初めに入学した学科は工業科でした。
(”初めに入学した”という表現自体あまり普通ではありませんね)
中学生の頃には既に、我が家は経済的に貧しく、大学へ進学する余裕などまるで無いことを承知していたので、それならば普通科を卒業するより、多少でも専門的な知識を身に着けたほうが就職に有利になるのではないかと考えたからです。
よかれと思ったこの考え自体が間違ってました。
とにかく授業がつまらない。
工業系の分野にまるで興味が湧きません。
ほどなくして学校へ行ったり行かなかったりを繰り返す不登校のような状態になります。
そうすると尚更授業について行けなくなり、学校が苦痛でたまらなくなります。
たとえ授業がつまらなくても、普通はそれでも我慢して毎日通学するものですが、私にその能力は足りていないのです。
我ながら愚か者としか言えません。
しかしこんな状況でも唯一の楽しみがありました。
それは部活です。
部活仲間といる時間が楽しくて、酷いときには授業はサボって部活だけ参加するというストロングスタイルを繰り返していた時期もありました。(当然顧問からは何度も注意されましたが・・・)
そんな高校生活1年目だったのですが、当然ながら単位が足らず、留年確定となります。
僕は悩みました。
留年するくらいならいっそのこと他校の普通科へ入り直すべきじゃないか?
でも部活の仲間と離れてしまうのは嫌だな・・・。
余談として、その高校の工業科はA科〜C科の3つの専門科で構成されていました。
そして悩んだあげく、別の科に編入しよう!という結論を出しました。
そうすれば、今の学科よりは自分に合っているかもしれないし(淡い期待)、部活仲間と離れずに済む!
そしてその思いを担任に伝えます。
しかし担任から、そもそもこのような前例は無く、制度も無いということを聞かされます。
つまり別の学科へ乗り換える制度はないので、もし乗り換えたいのであれば、入学試験を受け直す必要があるということです。
この点については楽観的でした。
受験勉強というものを全くせずに入学した高校だったので、再試験についても容易に合格できるだろうと思ったからです。
そして入学試験には合格しました。(このとき神のご意思が働いたかどうかについては一生僕にはわかりません)
高校生2年目〜3年目
4月になり新たな学科での生活がスタートです。2度目の高校1年生です。
心配していた新クラスメート(1歳年下)との関係ですが、多少の壁は感じつつも、適度な関係を築いていけました。
高校自体に慣れてきたということもあり(幼い頃からとにかく新しい環境に対しての適応に時間がかかる気質だったため、中学から高校に上がったこと自体が当初は相当なストレスとなっていました)しばらくはまともな学校生活を送ります。
なんとか2年生に進級することができました。
部活は相変わらず熱心に取り組んでいました。
順調に思える日々を過ごしていましたが、ある頃より持病(サボり癖)がちらちらと顔を覗かせはじめます。
学校に行くのがとにかく億劫。(理由は今となっては思い出せません。決定的な何かがあったわけでは無いと思います。)
もうこうなってしまうと誰にも治せません。またしても徐々に学校を休みがちになります。
やがて2度目の留年が確定します。我ながらアホとしか言いようがありません。笑
ただ、前回と違ったのは、次の進む道に迷わなかったことです。
いい加減わかったのです。
毎日同じ時間に登校し、毎日同じ時間教室という空間に拘束され、同じ時間に下校する。
こんな当たり前で平凡な日常の繰り返しが、果てしなく苦痛に感じるのです。
毎日普通に学校に通っている人のことを、誇張なしに尊敬してしまいます。
高校生4年目(通信制課程への編入)
そして、かねてより考えていた通信制課程がある別校への編入を決めました。このときは編入という形で、通信制課程の2年生からスタートができました。
※通信制課程とは、様々な事情で毎日登校することが困難な人でも、学習の意欲さえあれば、高等学校の卒業資格が得られるシステムです。「レポート作成・提出」「面接授業(登校)」「テスト受験・合格」が学習の柱となり、自分で計画を立てて学習を進めていかなければいけませんが、努力を積み重ねることで確実に卒業に向かうことができます。雑に例えるならば、毎日出社していれば給料(単位)がもらえる会社員(全日制)に対し、仕事をした分だけ報酬(単位)がもらえる自営業者(通信制)のようなイメージです。
両親には相当な心配をかけたと思います。
正直、通信制という未知の世界に飛び込むのに抵抗感はありました。包み隠さずにいえば、多少偏見のようなものもありました。
どんな生徒がいるのだろうか。果たしてうまくやっていくことができるだろうか。無事に卒業することができるのだろうか。
そしてスタートを切りました。
すぐにわかったことは僕にとっては最高の環境だということでした。
大変なことと言えば、レポート提出と、テスト合格のための自宅学習くらいなもので、いくら僕が勉強嫌いだからといってそんなことは補って余りあるほど、これまでの全日制で感じていた精神的な苦痛からは解放されました。
こんなことならもっと早く転校しておけばよかった。
僕の場合、週に1回ほどしか登校しませんでしたが、クラス担任もいればクラスメートもいます。担任はとても優しい先生でしたし、クラスメートも当初想像していたような危なげな人はほとんどいませんでした。なぜなら本気で卒業したい意欲のある人しか登校してこないからです。
※あくまでこれは私の経験談です。高校によっては雰囲気がまったく異なる場合もあるため、事前説明会に出席し質問するなど、情報収集は必ずしましょう。
高校生5年目(卒業)
あっという間に月日は過ぎ去り、無事卒業できる運びとなりました。
この5年間、途中で何度も高校生を辞めたくなった時期がありました。
それでも自分なりに漠然と、最低でも高校だけは卒業しないと将来苦労するだろうと不安を抱えていたため、その不安に突き動かされてここまでやってこれたのだと思います。
卒業式に先生が歌ってくれた、いきものがかりの「YELL」。聴きながら目を潤ませていたことを今でも覚えています。
こうして僕の高校生活5年間の幕が下りました。
学校に馴染めずに苦しんでいるあなたへ
最後までお読みいただきありがとうございました。
思い入れのある内容に触れたため長文となってしまいました。
僕に関しては通信制課程への編入がなかったら、おそらく高校卒業の資格は得られませんでした。
30代の今、幸いなことに家庭を築くことができているのも、あの頃少し道を外れながらも諦めず粘り強くしがみついた結果です。世間体もクソもありません。笑
もしお読みいただいた方の中に、学校に馴染めずに苦しんでいる方がいらっしゃいましたら、こんな選択もあるんだなと、ひとつの参考にしていただければ幸いです。きっとあなたなりの解決策があるはずです。
余談ですが、高校卒業後、専門学校に1年だけ通うことになるのですが、それはまた別の機会に書こうと思います。