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子供を授かるためにできること②〜男性不妊症患者の経験談〜

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前回からの続き。

紹介してもらった都内のクリニックへ受診に行きました。

目次

いざ手術へ

先生にこれまでの経緯を説明します。いつものごとくまずは触診です。その後エコーによる検査。

先生「精索静脈瘤で間違いないです。手術により改善の可能性があります。」

それを聞き、とりあえずほっとしました。これで原因は固まった。あとは手術を受けるだけだ。その日のうちに手術の予約を取ります。

そして手術当日。妻にも同行してもらいました。事前の説明では、手術の翌日から普通に仕事が可能とのことでしたが、念の為クリニック近くのホテルで一泊し翌日は休む予定です。

手術着に着替えて、いよいよ手術台の上へ。麻酔により眠った状態での手術です。

麻酔がなかなか効いてこないなー、なんて思っていたら、気づいたら手術は終了し名前を呼ばれて起こされているところでした。あっという間でした。

心配していた術後の痛みですが、当日はまったく無かったです。傷口は2センチほど切っただけなので、縫った上にガーゼが貼られていました。どちらかといえば術後数日経過し傷口が塞がってきた頃が、縫合糸が突っ張って痛かったです。

その日はそのままホテルへ。翌日も特に問題なかったため、新幹線で帰宅しました。

数日後、抜糸のため再びクリニックへ。

経過は良好で、今後は気が向いた時に精液の状態等の検査に来てくれればいいとのことで、一応ここで治療は一区切りとなりました。最初に郵送検査キットを利用したときからここまで、2年近く経過していました。

果たして手術の効果は?

肝心の精液の状態は改善されたのか?ということですが、結果を申し上げますと、術後数ヶ月経過して徐々に精液の状態が改善していき、精子濃度だけでみた場合、WHOが公表している自然妊娠が可能な数値をわずかに上回る程度まで改善しました。手術をして良かったと思った瞬間でした。

人工授精にチャレンジすることに

夫婦で話し合った結果、タイミング法で自然妊娠を目指すという選択肢もありましたが、あまり時間をかけたくなかったため、地元の人工授精に対応している婦人科クリニックで人工授精をおこなうことにしました。ちなみに手術前の僕の状態では、人工授精すら望みは薄い状態でした(体外受精の対象レベル)。

不妊治療をおこなっていく中で、ここからが非常に大きなターニングポイントとなります。

ここまでは、あくまでも男性不妊症(乏精子症)である僕が主体となって治療をおこなっていたわけですが、ここから先は妻が主体となり、痛みを伴う治療をおこなっていかなければならないのです。子供を授かれない原因が僕にあるのに、妻が痛い思い、辛い思いをしなければならないのです。

結局男ができることなんてたかが知れてるということです。精神的に妻をサポートすることはできるかもしれません。それは夫婦で不妊治療をすすめていくなかでとても大切なことではあります。でもそんなことは第三者の慰めでしかないのです。できることなら代わりたい。子供が出来ない原因が僕にあるのに、なぜ健康体である妻が痛い思いをしなければならないのか。ただただ申し訳ない。辛そうな妻の姿を何度も見ながら、そんなことばかり考えていました。

チャレンジは6回まで?

そして婦人科クリニックへ。医師からは、人工授精の目安は6回までと説明されます。つまり人工授精を6回試して成功できなかった場合、次のステップである体外受精に移行したほうがいいというわけです。※これはあくまで当時のこの医師の見解です。医師によっては別の見解もあるだろうと思います。

その言葉を念頭に、治療を開始します。

結論、4回目まで失敗しました。ステップアップも脳裏にちらついてきました。

ただ、僕の思いとしては、なんとしてでも人工授精の段階で成功させたかったのです。体外受精となると女性にかかる身体的負担が(もちろん精神的にも)人工授精の比ではなくなるからです。

悩んでいるうちに、全く根拠があるわけではないのですが、病院を変えてみれば何かが変わるかも?という思いが浮かびます。それにもし体外受精をする運びとなったとしても、今のクリニックでは対応していないので、別の病院で実施することになる。それならば今転院して、転院先で2回人工授精にチャレンジをして、もしだめだったら体外受精にステップアップしよう。

そのことを妻に提案し、承諾を得ました。

クリニックの先生にこのことを伝えたところ、快く受け入れてもらえました。県内にある体外受精に対応していて、不妊治療の実績が高い総合病院を紹介してもらいます。

次回③に続きます。

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