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子供を授かるためにできること③〜男性不妊症患者の経験談〜

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前回からの続きです。

過去記事はこちら

  1. 子供を授かるためにできること①〜男性不妊症患者の経験談〜
  2. 子供を授かるためにできること②〜男性不妊症患者の経験談〜
目次

ついにこのときが!

総合病院では、まず妻の体の状態を検査しました。妻にも不妊の原因があるかもしれないからです。結果は問題なし。このとき卵管造影検査もしました。一説によると、この検査自体が一時的に妊娠の確率を高めるそうです。

そして通算5回目の人工授精をおこないます。

結果は失敗。

毎度のことながら夫婦揃って落胆します。

「なんで私のところに赤ちゃんは来てくれないの?」

妻の悲痛なセリフが今でも忘れられません。こんなときに明るく励ましたり慰めたりするなんて現実問題として無理です。むしろお互いが同じ温度感で落ち込むこと自体が支え合いになっているんじゃないでしょうか。

「次でだめだったら、不妊治療から少しの間距離を置いてみない?」

長期間に渡る治療で妻の心身がかなり疲弊していたので、そう提案します。

「そうだね。少し休んでからでも遅くはないよね。」

そして翌月。

通算6回目の人工授精をおこないます。

計6回というのが以前医師より言われていたステップアップ(体外受精)へのひとつの目安です。

事前の精液検査の結果はそれほど良いものではありませんでした。

今回もだめかもしれないな・・・。

そんな気持ちで生理予定日までの日々を過ごします。

そして生理予定日になります。

まだ生理は来ません。

今までの経験から、このようなことは何度かありました。だから今回も絶対に期待はしちゃいけないと自分に言い聞かせます。

それから2週間ほど経過しました。この間、夫婦揃ってなるべく口に出さないようにしていた言葉を、ここでようやく口に出します。

「なかなか生理が来ないね」

妻も今回はいつもと違うと思っていたらしく、明日の朝、妊娠検査薬を試してみようということになります。

次の日の朝。いよいよ検査です。といってもその瞬間、僕はまだ寝てました。笑

ふと気配で目を覚ますと、妊娠検査薬をじっと見つめる妻の姿がありました。恐る恐る僕も検査薬を覗きます。

「線が出てるっっ!!

 これってそういうことだよね?」

糠喜びになるまいと、念の為妻に確認します。

「うん、でも病院に行くまでわからないから」

妻のほうも糠喜びになるまいと、あくまで冷静を装います。長期間にわたる不妊治療のせいで、僕たちに謎の糠喜び防衛回路が作られてしまったようです。

すぐ病院に連絡し、検査の予約を取ります。

そして迎えた検査当日。

医師「妊娠していますね」

ここでようやく押し込んでいた喜びの感情が溢れ出しました。

最初に検査キットで精液の状態を検査したときからおよそ3年が経過していました。

この間、転院と通院を繰り返しました。

僕のせいで妻が苦しんでいる。常に自責の念が絶えることはなく、そんな日々からようやく解放されたという思いも、このとき初めて湧いてきました。

あとは兎にも角にも妻の体を大事に過ごそう。

ようやく授かった命、初めての妊娠ということもあり、慎重すぎるくらい慎重に出産までの日々を過ごしました。

それから月日は流れ・・・

無事長男が誕生しました!

現在では2歳になり、毎日やんちゃにすくすく成長しています。

不妊治療中の皆さんに伝えたいこと

ここまでお読みいただきありがとうございます。

不妊治療をおこなっている期間、ほんとうに様々なことを実践しました。

日頃のウォーキング(軽く肥満気味だったから)、筋トレ(筋肉を付ければ男性ホルモンがアップしてなんとなく良さそうだったから)、サプリの摂取(精液の状態がよくなりそうだったから)、神社仏閣墓参り(神様仏様ご先祖様のご加護にすがりたかったから)。

それら全てに効果があったかどうかはわかりません。

それでも自分にできる限りのことをしよう、妻を支えよう、そんな思いを胸に最後は夫婦力を合わせて乗り越えていきました。

現在不妊治療中の方、もしくはこれから不妊治療を始めようとしている方、ありきたりなことを言うようですが、夫婦どちらかが頑張っているだけでは不妊治療は成立しません。

そしてなによりも、人生のこの難局を乗り越えるためにはお互いを思いやることがとても大事です。

必ず成功すると信じて最善を尽くしましょう。なんでもいい、できる限りのことをやるのです。そのことが心の安定を保つためにも一役買ってくれるはずです。

僕も皆さんのもとにコウノトリが訪れてくれることを願っております。

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